パニック障害体験談 「考え方を変えれば克服できる!」



パニック障害の体験談

パニック障害の体験談も第3回目となりました。

今回は東京都在住の女性の方に執筆をお願いし、闘病生活を赤裸々に語って頂きました。

結論から言ってしまいますが、彼女はパニック障害を疾患してわずか1年の間に克服を実現しています。この体験談の中には、非常に参考になる改善のヒントも隠されていますので、じっくり読んでみてください。

 

パニック障害の原因となった仕事の日々

東京都武蔵野市に住む24歳女性です。パニック障害と診断されてからちょうど一年が経とうとしています。

今でもどうして自分がパニック障害になってしまったのか、自分の心が弱いせいだと責める時もあります。まだ体調に波はありますが、少しずつですが確実によくなってきているので、同じようにパニック障害に悩む方の参考になればと思います。

そもそも私がパニック障害になったのは、仕事がきっかけでした。

憧れていた会社に努力して新卒で入社し、入社してからも仕事を覚えながら国家資格を取るなど、今振り返ってみると自分のキャパシティ以上のことをこなしていたように思います。

私が入った部署は当時大きなプロジェクトを進めていて、私はそれとは全く別の仕事をしていたのですが、人員が足りないということで参画することになりました。部署に配属されてから取り組んでいた仕事とは全く違う仕事でしたので、先輩社員などに聞きながら仕事を進めていたのですが、そもそもその仕事内容をきちんと理解している人が周りにいない状況でした。

そのような中で自分が出来得る限り調べ、内容を整理し、期日までに与えられた仕事をこなそうとしていました。ただ、新人の私だけではどうしても分からない部分があったので、新人の指導をしてくれる先輩何度も指示を仰いだのですが、先輩も自分の仕事で手一杯の状態で、私はどうして良いのか分からなくなってしまいました。

仕事の期日は迫っている。誰に聞いても作業が合っているのかどうかも分からない。思えばその時はいっぱいいっぱいの状態だったように思えます。

そんな時に、時間ができた先輩に自分がしてきた作業の内容を説明したら「私にも分からない。きちんと分かるように説明してほしい」と言われ、自分の中の感情が爆発しました。分からないからずっと悩んで自分ができる限りのことをやり、指示を仰いだのに、その全てを否定されたような気がしたのだと思います。

仕事中にも関わらず、急に涙が止まらなくなり、過呼吸の発作が現れました。これが初めてのパニック発作です。

パニック障害の診断と治療の開始

それから仕事や先輩と向き合う度に過呼吸の発作や手の震えが現れ、このままではいけないと感じ、家族と相談の上で心療内科にいき、パニック障害と診断されました。

パニックの発作が出る前に、息苦しさなどの前兆を感じたので、その時に飲む頓服約の『デパス』と、ゆるく精神が安定する効果が続く『メイラックス』という薬を処方されました。しかし病状はよくなるどころかどんどん悪化し、睡眠障害・朝は身体が硬直して自力で起き上がることができないなど、身体的な症状が強く表れました。

休職と自宅療養

それでも家族に支えられながら、電車に乗り、通勤をしていました。しかしある日身体が鉛のように重くなり、食欲も無くなり、上手く喋ることができなくなりました。その時点で主治医からは『うつ病』と診断されました。パニック障害とうつ病は併発することが多く、主治医や上司の勧めもあり、仕事を休職して治療に専念することになりました。

『うつ病』と診断された時点で、精神安定剤の他に抗うつ剤の『ジェイゾロフト』、睡眠薬の『グッドミン』を処方されました。しかし病状はよくならず、抗うつ剤は『パキシルCR』『リフレックス』、睡眠薬は『サイレース』『ルネスタ』と約一年の間で徐々に量を増減しながらいくつもの薬を試しました。

抗うつ剤の副作用で喉の渇きが酷かったので、一時期は漢方薬の『白虎加人参湯エキス顆粒』も飲んでいました。しかしただでさえ毎日飲む薬の量が多く、それだけでも億劫だったので漢方薬は飲まなくなりました。

抗うつ剤を飲んでいるのに、その副作用で気持ちが落ち込んだりすることもあり、最初はただのパニック発作だったのにパニック障害、重いうつ病へとどんどん落ちていきました。うつ病で約半年間寝たきり状態にもなりました。

パニック障害の悪化原因を分析してみました

どうしてここまで悪化したのか自分なりに分析すると、休職期間を自分の中で『一か月』と定め、その期間内で重くて動かない身体を無理やり動かしていたからです。主治医は患者の意思を尊重する(というと聞こえは良いですが、ただ薬を処方する)タイプの医者だったので、まず私には『ゆっくりと頭と身体を休ませること』が必要だとは教えてくれませんでした。

私もそうですが、パニック障害を抱えている人は電車に乗ることが困難な方が多いそうです。まずは電車には乗らず、睡眠薬に頼ってでもゆっくりと睡眠を取り、とにかく休むべきだったのです。

でも私は『頑張らないといけない』・『早く職場に復帰したい』という焦りから、無理に電車に乗る練習を休職してすぐに始めました。自分では休職期間=リハビリのつもりだったのです。

でもそれは一番やってはいけないことでした。

パニック障害と診断されてから休まずに無理をしたせいで、寝たきりになってしまうような重いうつ病になりました。

休職は当初1か月の予定だったのですが、2か月、3か月とどんどん延びていきました。休職延長の手続きをする度に、産業医面談に行く度に、身体はよくなるどころかますます悪くなっていきました。それは精神的に『期限がもうすぐだ。早く復帰しなくてはいけない』と自分で無意識に自分を追い立ててしまっていたことが原因です。

そのことに気付き、『何かに追い立てられているうちは症状もよくならない』と考え、会社を退職することにしました。会社を退職する前後もやはり自分を責めてしまい、一時的に病状は悪化しましたが、心はどこか晴れやかでした。

パニック障害を克服した私

パニック発作は発症から1年経った現在も出ていません。電車にも乗れるようになりました。頓服の『デパス』をお守り代わりにいつも持ち歩き、音楽を聴きながら、乗車率の少ない時間帯の電車に乗ることで徐々に発作が起きなくなりました。

各駅停車の電車に乗ることで、「発作が起きたらすぐに降りよう」と考えたことで発作がでにくくなったのだと思います。また、発作の頻度が低くなる度に「私はもう発作が起きない」と考えることも良かったです。

また、うつ病の症状も自分に合う抗うつ剤(私の場合は『リフレックス』)を飲み始めてからよくなり始めました。

食欲もほとんどなく、寝たきり状態が半年ほど続いていたので10キロ近く痩せ、体力も全くなくなっていました。ですので、無理をしない程度に、近所を散歩することから始め、家でヨガをしたり、自律神経を整える作用のあるアロマオイルをたいたり、自分の体調を徐々に整えるように心がけました。最初は5分歩いただけでもバテてしまっていましたが、今は一日に5キロエアロバイクを漕いだり、近所の公園をジョギングできるまで体力が回復しました。

同じパニック障害者に伝えたい…

もうパニック発作は半年ほど出ていないので、パニック障害は克服できたと思っています(必要がなければ電車にはなるべく乗りたくないですが、用事があれば乗れるようになりました)。パニック発作の前兆が現れたら無理をせずに休む。薬に頼る。『パニック発作では死なない』『パニック発作は必ず数分でおさまる』ということを経験から自分の身体が覚えているからもう発作は起こらなくなったのだと思います。

同じようにパニック障害で悩んでいる方に伝えたいのは、パニック障害は『あなたのせいで起きてしまうのではない』ということです。あなたの身体があなたに『休みなさい』というサインを出しているのだと思います。

パニック障害は心の問題だけでなく、脳の伝達物質が正常に分泌されないことが原因だとも言われています。もしあなたや家族や身近な人がパニック障害を理解せず、『あなたの心が弱いせいだ』と責めるようならば、一緒に病院へ行き、医者からパニック障害についてきちんと説明してもらってください。

パニック障害を治すためには、周り、特に家族からの理解が何よりも大切だと思います。自分が安心していれる場所があって初めてきちんと『休む』ことができるのです。私のように無理をして、どんどん落ちていって欲しくありません。

パニック障害だけならば、短期間で治すことも可能です。うつ病などが併発しないように、周囲に甘え、ゆっくり休んでください。パニック障害は必ずよくなります。焦らず、ゆっくり、自分のペースで歩んで行けばいいと思います。長い人生ですから、ちょっとつまずいたくらい、いくらでもやり直しは効きます。私自身も自分にそう言い聞かせて今はゆっくりですが、前に進んでいます。

 

[ip5_heading type=”h2″ style=”subheader–large” title=”体験談後記” ]

いかがでしたでしょうか?

わずか1年の間に様々な事を経験してきた彼女ですが、今ではパニック発作も出る事なく、元の生活を取り戻しているようです。

今回の体験談の中には、色々とパニック障害の克服ポイントがありましたが、一番参考にして頂きたいのは、彼女のパニック発作に対する考え方です。

いわゆる「マインド」の部分ですね。

これは非常に大切な事で、投薬治療や認知行動療法などの治療法はもちろん効果的なのですが、根本的には自分自身の考え方・感じ方を変えられない限りパニック障害の症状を緩和させるのは難しいと思っています。

だからと言って、無理やり自分にマニュアル通りの考え方を押し付けても、それは効果が無いのですが、ある程度、パニック障害である事を自然に受け入れる事ができ、そして、パニック発作が怖いものではない事を身体で感じることが出来るようになるとパニック障害は克服間近と言えるでしょう。

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