カウンセリングの効果と正しい受け方
パニック障害の治療過程で心療内科や精神科を受診するとカウンセリングを受けることを勧められると思います。今、“パニック障害克服ABC”を読んで頂いているあなたも実際にカウンセリングを受けたことがあるかもしれません。
カウンセリングを受けた方に非常に多いケースなのですが、
- カウンセリングを受けたけど全然効果がなかった
- ぜんぜん症状が良くならないのにお金の無駄だった
この様な話はよく聞きます。実際に、私がパニック障害になった初期段階でもカウンセリングは受けましたが、「結局これを受けて何か変わるのだろうか?」と考えてしまった事も記憶に残っています。
こういう話を聞くと、パニック障害にカウンセリングは効果が無いと思われがちですが、それは大きな間違いです。
効果が無いと感じてしまったのは、決してカウンセラーが悪いのではなく、むしろカウンセリングを受ける側に大きな問題があったことがほとんどなのです。
カウンセリングを受ける側の問題点
カウンセリングを受ける側(=パニック障害の疾患者)の問題点とはカウンセリングがあたかも魔法であるかのように、これさえ受ければ症状が改善され、パニック障害が治ってしまうと思ってしまっていることです。
もっとも、カウンセラーの力量や相性などによって効果が低くなってしまうケースもありますが、正しい受け方をしていれば何の効果も得られなかったという結果は考えにくいです。
カウンセラーが行うこと
カウンセリングを受ける側の問題点でも明記した通り、カウンセラーはあなたのパニック症状を消し去る事はできません。
カウンセラーが行うことは、あなたの心の問題点を明らかにすることこれに尽きます。そして、その問題点に対して、あなたがどのように解決していけば良いのか?これに対する手助け(道しるべ)はしてくれるものの、その答えを出すことは一切しません。
カウンセリングの正しい受け方
カウンセラーは巧みな話術であなたの心の根本的な問題を明らかにし、あなたがそれについて考え、改善の答えに行きつけるように導いてくれますので、しかっりと話を聞き、考え、質問に答えていく姿勢を守ればカウンセリングの受け方としては問題ありません。
しかし重要なのは、どのようにして改善の答えを導き出すか?です。
先述した通り、カウンセリングでは一切解決の答えを言うことはありません。答えを出すのはあなた自身です。カウンセラーが導き出してくれるキーワードをもとに、自分自身を見つめなおし、試行錯誤し、積極的に変わろうとする行動なしではパニック障害を克服することはできません。
答えを改善に生かしていく事への覚悟
正しくカウンセリングを受ければ、おのずと問題点が明らかになり、改善するための答えも見つかるでしょう。しかし、その答えをいざ実生活の中で生かし、パニック障害の克服の手がかりとする事は非常に難しいです。
なぜならば、長年慣れ親しんだ自分自身の考え方や行動、おそらくはこれらを否定し、新たなモノへと変えて行かなければならないからです。
パニック障害においては、予期不安や広場恐怖など、自分が思っている以上の思考の偏りから、パニック症状を生み出している可能性が強くなっています。
カウンセリングの受け方まとめ
- カウンセリングに効果が無いと感じる場合は受ける側に問題がある
- カウンセラーが行う事は心の問題点を明らかにすること
- カウンセリングを通じて、どのように改善の答えを導き出すかが大切
- 得られた答えを実生活で生かす事はとても難しい
- 自分自身を変えられないとパニック障害の改善は難しい