パニック障害に関するQ&A(よくあるご質問)

パニック障害の治療や克服に向けた良くあるご質問をまとめています。下記目次より、それぞれの質問へジャンプすることができます。

 

Q1. パニック障害の症状にはどの様なものがありますか?

A. 多くの方に共通している症状は、強い不安感/息苦しさ/めまい・ふらつき/手汗・足汗 等です。特に息苦しさや極度の不安感から、「このまま自分は死んでしまうのではないか」と絶望的な感情になってしまうこともあります。

 icon-chevron-circle-right パニック障害の症状について

Q2. なぜ、パニック障害になってしまうのですか?

A. パニック障害の原因は完全に解明されていませんが、脳神経機能の障害という見方が強くなっています。あまり難しく考える必要は無く、心と体がストレスや不安に耐えられなくなっていると捉えてもらえればと思います。

通常であれば耐えられるストレスや不安であっても、パニック障害の方は脳が過剰に反応してしまい、強い不安感や身体的な症状が出やすくなっていると言い換えられます。

パニック障害向けに処方されるお薬をみれば分かる通り、アルプラゾラム等の抗不安薬はGABA受容体に働きかけ不安を取り除きます。また、セルトラリンなどのSSRIは「幸せホルモン」と言われるセロトニンの働きを強くします。つまり、本来であれば人が体内で自ら作り出せるものが欠如してしまった(またはその機能が低下した)結果、パニック障害になってしまうと考えた方が正しいです。

ですから、簡単な話として、日常生活の中で自らGABA・セロトニンの増強ができれば、おのずとパニック障害を克服することは可能です。

今までの生活環境・習慣の中でパニック障害になってしまった場合は、この環境と習慣を変えなければ治すのは難しいと考えた方が良いです。具体的には食生活であったり、運動習慣であったり、睡眠であったり、より健康的で高いレベルを目指すことが改善の近道です。

また、一方で心理的要因を取り除く事も重要です。

Q3. パニック障害は薬を服用することで治りますか?

A. パニック障害の治療薬としては、抗不安薬・抗うつ薬・SSRIが処方されるのが一般的です。しかし、お薬による治療は対症療法と言って、「いま出ている症状を緩和させる」だけの効果しかありません。つまり、残念ですが、基本的にお薬で治す事は不可能です。

パニック障害の重症化の過程として、パニック発作を繰り返すことでトラウマ化し、予期不安→広場恐怖を発症します。例えば、ご自身の行動が制限されない(パニック発作はあるが通常に近い生活を送ることができる)状態の方は比較的症状が軽いですので、薬の服用で発作が出ない状況を継続的に作りだすことによって、自然と回復する可能性はあります。しかし、強い精神的負荷がかかった時に再発する可能性も高いです。パニック障害の方が薬をなかなかやめられないのは、この様な背景があるからです。

私の経験上、根本的な改善を目指すのであれば栄養療法を実践すべきと考えています。ご自身の脳が不安に耐えられる状態を作れるのが栄養療法です。私も20年来のパニック障害を克服できたのは栄養療法がきっかけでした。

Q4. パニック発作が出た時に一番効果的な対処法は何ですか?

A. 人それぞれで異なりますので、必ずこの対処法が効くという断言はできませんが、多くのパニック障害の方に効果があったとされる対処法は合谷(ごうこく)というツボを押すことです。このツボ押しは私自身もかなり効果がありました。

合谷は「万能のツボ」と言われており、頭痛などの痛み全般・肩こり・ストレス・不安感など、あらゆる不調を緩和してくれます。当然、パニック発作時の息苦しさや強い不安感も和らげてくれます。また、合谷はツボの中でも最も脳に作用する経穴と言われ、脳への血流を改善する効果もあります。

合谷は手の甲側にあるツボで、人差し指の骨と親指の骨が合わさる部分のやや人差し指よりの位置にあります。押すと少し痛みを感じるのですが、その中でも気持ちの良い程度で指圧してください。指圧する時間はあまりこだわらなくて良いと思いますが、5秒前後で左右交互に3セットほど行うと、パニック発作もやわらいできます。

その他の対処法としては、ミント系のタブレットがオススメです。フリスクやミンティア等が商品として有名ですが、私個人としてはミンティアのドライハード(黒色)をおすすめしています。価格も安く、爽快感も強いです。リラックス効果がありますので、パニック発作による息苦しさが出た時に呼吸がラクになります。

また、飴を舐めると発作が落ち着くという方もいらっしゃいますが、その場合は機能性低血糖を疑った方が良いかもしれません。低血糖状態に糖(飴)を入れることによって、血糖値が上がり、症状が改善している可能性があります。

Q5. 機能性低血糖症とは何ですか?パニック障害と関係ありますか?

A. まだ注目度は低いのですが、機能性低血糖症がパニック障害の症状と非常に似ている事から、誤ってパニック障害と診断されているケースがある事が分かっています。症状もほぼ同じで、不安感・めまい・息苦しさ・動悸などがあり、症状だけ見ると第三者による診断が難しいと思われます。

機能性低血糖症を見極めるためには、対応している病院で糖負荷試験や24時間血糖検査を受ける必要があります。お近くの病院で対応する病院があるかどうかは、ネットで「機能性低血糖 検査 ○○(都道府県名)」と検索してみてください。

ご自身で機能性低血糖症を疑う場合は、まずパニック発作(と思われる症状)がどの様な状況で発症するか注目してみてください。パニック障害の場合は、苦手な場所・逃げられない場所・緊張/不安になる場面で発作が出るのに対して、機能性低血糖症では、食後に発作が出たり、就寝時・起床時・夕方などの比較的お腹がすいている時に症状が出やすくなります。

どちらの病気でも、自律神経の乱れが影響しているので、抗不安薬が症状緩和に役立つという特徴があります。

ご飯・パン・麺類などの糖類(炭水化物)や、甘いものを摂取することで症状(≒パニック発作)が治まるという方も機能性低血糖症を疑った方が良いと思われます。

Q6. お薬を飲みたくないのですが、服薬せずにパニック障害を治すことは可能ですか?

まず、理論的にはお薬を飲まずにパニック障害を克服することは可能です。抗不安薬やSSRIは対症療法ですので、症状を抑えることができますが、根本的に治す作用はありません。実情として、薬物療法で克服した方であっても、生活習慣の見直しや心因的要因を取り除く等、お薬に加えて何かしらの努力をしている方が多いです。つまり、お薬で症状が出ない状態を継続させ、かつ、心と体を良い状態へと改善させる事が必要なのです。

そういった意味では、個人的見解としてお薬は服用すべきだと考えています。お薬は効果的に症状をおさえてくれますので、これほど優れたものはありません。むしろ、辛い症状が出ているのにお薬を飲まず、パニック発作がトラウマ化し広場恐怖症など生活に大きく支障が出るまで悪化してしまうと、それこそ、1年で克服できたものが何年も治らないという状況になり兼ねません。うまくお薬を使って、その間に自己治癒力を高め、薬物依存が形成される前に断薬することがポイントだと考えています。

では具体的に何をすれば良いのかというと、①食生活の見直し/②規則正しい生活習慣/③適度な運動/④心理的負担を取り除く ということが重要です。特に①の食生活の見直しはパニック障害の克服には重要な項目です。これを大きくサポートしてくれるのが栄養療法です。

 






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