パニック障害者への正しい接し方と家族ができるサポート



家族・恋人のパニック障害者への接し方と理解

パニック障害を治療していくには周囲の人、特に家族や恋人の正しい理解や協力的な接し方が欠かせません。パニック障害に対する理解と知識を深め、正しい対応やケアを行っていくことが、早期克服への近道となります。

パニック障害は周りから見て明らかな身体症状などがないために、仮病やヒステリーなどと勘違い・疑いを持ってしまうケースが多々あります。

しかしこのような考え方は患者さんの心をさらに傷つけ、ますますパニック障害が悪化してしまう事態を招きます。家族や恋人などのパニック障害者に関わりのある周囲の人は、パニック障害が本当に辛く重大な病気であることを理解し、正しい知識を身に着けて接していくように心がけましょう。あなたがそのような関係にあるのでしたら、パニック障害の原因について知識を深めるべきです。

[関連記事] ≫パニック障害の原因とは?

もし、あなたの家族・友人・恋人など、周りの大切な人がパニック障害にかかってしまったらどのように接していけば良いのでしょうか?ここではパニック障害者への接し方について解説していきます。

 

家族がパニック障害に理解を示すことが重要

恋人

家族や恋人であるあなた自身がパニック障害という病気に対する理解を示さなければ、疾患されている方の病気はなかなか治らないでしょう。むしろ、パニック障害の症状が悪化して、最悪は社会復帰が困難な状態になってしまう事態も考えられます。

1.まずはパニック障害という病気が存在する事を理解する

パニック障害という病気があることを知らないと「弱いからだ」や「怠けているだけだ」などと無責任な言葉を疾患者にかけてしまうことがあります。これはパニック障害者自身を追い詰めるという結果しか生みませんので、まずはパニック障害という病気を知ることが大切です。そのためにはパニック障害の根本的な原因を知る必要性があります。

2.悩みや性格から起こるものではない

心の優しい人は、パニック障害の患者さんに「悩みを聞くよ」など声をかけることがありますが、パニック障害は悩み自体から起こるものではありません。患者さんが何かを話したいときには話し相手になってあげる程度にし、無理に色々なことを聞き出すことはなるべく控えましょう

3.気力で治せるものではない

パニック障害は、精神的に弱いからかかるものではありません。「気合で治せ」などと精神論を語っても逆効果どころか無効果です。間違ってもこのような接し方をしてはいけません。

4.慢性の病気であることを理解する

パニック障害にも、症状が和らぐ期間があります。しかしそれは完治と直接つながるわけではなく、そのタイミングで「もう治ったんじゃない」などの無責任な言葉をかけると、せっかく快方に向かっていたとしてもまた悪化してしまうことがあります。症状が和らいでいる時期も治療を焦らせるようなことは口に出さずに温かく見守りましょう。

 

 

接し方のポイント

1.パニック発作が起きた場合の接し方

パニック発作が起きて一番不安を感じているのは疾患者本人です。周囲の人が焦ったり騒いだりしては、患者さんの不安をさらに煽ってしまいます。まずは楽な体勢を取らせ、そばにいて不安をしずめてあげましょう。

パニック発作で死ぬことはないということを思い出せるように声をかけてあげることも有効です。発作が治まったら今後のために「発作が起こった状況・程度・症状」などをノートに記録しておきましょう。

2.症状に合った対応と接し方

広場恐怖を併発している患者さんは一人で外出できなくなることがあり、そのまま引きこもってしまうとうつ病を引き起こしてしまうことも少なくありません。周囲の人が付き添うことで外出できる場合は同行してあげましょう。不安を感じる状況に少しずつ触れさせて不安を克服することも大切です。

3.焦らずにゆっくり見守る事も配慮した接し方

患者さんをせかすことはパニック障害への接し方としては逆効果です。ストレスや不安感ですぐに悪化してしまう病気ですから、「そろそろ治りそうじゃない?」や「早く学校(職場)に復帰できるといいね」などのプラス思考な言葉も場合によっては患者さんを傷つけてしまうことがあります。下手に声をかけるくらいなら、温かく見守ることが一番の付き合い方と言えるでしょう。

4.患者に共感をしめす

パニック障害の患者さんにとって、共感はとても安心できる要素になります。周りには共感してくれる人がいるんだということを患者さんにわからせてあげることが大切です。

 

家族ができるパニック障害者のサポート方法と接し方

パニック障害者は不安に押し潰されそうな毎日を送っています。ですから、例えば家族や恋人がそばに居てくれるととても安心する事ができます。しかし、接し方ひとつでそばに居ることが苦痛に変わる事もありますので、正しい接し方を行っていきましょう。

1. 家族が理解し一緒に居てあげる事が大切

パニック障害の患者自身が望むのであれば、出来るだけ一緒に居てあげる事は本人の不安症状を緩和させる良い対処方法です。しかし、家事・仕事など常に患者のそばに居る事はとても難しい事です。そのような時は「心で一緒に居る」ということに心がける必要があります。

例えば、パニック障害者が一人で家にいるのが辛いというケースで家族に言われて安心する言葉は「何かあったら連絡してね」「辛くなったら言ってね」こんな気遣いがとても支えになります。パニック障害者にとって一人じゃないということ、たとえ何かあっても助けてくれる家族(や恋人)が居るという安心感がとても大切です。

そのことが本人に伝わると、とても安心させる事ができるという訳です。特にパニック発作が出そうな時や、不安症状が出る時に話せる相手がいるというのはとても安心する事が出来ます。結果、リラックスすることができ、パニック発作の頻度も減っていくという結果になります。一番身近な家族が病気の辛さを理解し、見守ってくれていると感じさせることは、パニック障害になった人に与える安心感というのはとても大きいのです。

2. 服薬の中止は医師の判断を聞いてから

パニック障害に関わらず、どのような病気であっても医師の判断があるまでは勝手に服薬を中止することはいけません。パニック障害者に多々あるケースとしては、ずいぶんと発作も治まりかけた状態から完治したと思い込んで服薬を止めてしまう方がいます。ご家族はこの勝手な判断をやめさせなければなりません。パニック障害に明確な完治の基準はありませんが、克服できたと判断できる基準のひとつは「予期不安広場恐怖」などの症状がなくなり、パニック障害を疾患する以前の生活が問題なく送れるようになることです。

急な服薬の中止はパニック発作再発の可能性があり、「治ったと思った→でも駄目だった」という精神的ショックから、かえってパニック症状を悪化させる状況を招かざるを得ません。事実、このようなケースも確認されています。

医師の指示があるまでは勝手に服薬をやめないことが大切であり、また家族の判断で薬の服用をやめさせるといったことも聞きますが、しっかりと克服できるまで飲み続けることが大切ですので、家族の方は疾患者が勝手な判断を行わないよう応援してあげてください。

ご家族が心配する薬の依存

パニック障害で使われる薬の種類としては、SSRI抗不安薬の2種類がメインとなります。SSRIに関してはパニック障害の治療で長期に渡って使われる薬ですが、長く飲み続けたからと言って強い依存となることはありません。

また、抗不安薬(=精神安定剤)ですが代表的なものにソラナックスコンスタンという製品が挙げられます。抗不安薬はベンゾジアゼピン系といわれ不安や緊張感に非常に良く効く薬です。一般的には依存性は低いとされていますが、これまでの私の経験と調査からはかなりの長期(数年)の服用を行うと、いざ薬を止める時に強い離脱症状が出ることがわかっています。

SSRIにしても抗不安薬にしても服薬が長期に渡れば、少なからず離脱症状が出るものです。これについては一般的に医師も理解を示しており、作用の弱い同種類の薬へ変更したり、徐々に服薬の量を減らしたりししながら服薬を止められるようにしていきますので、ご家族が特に心配をする必要はありません

 

3. 認知行動療法と家族のサポート

認知行動療法は暴露療法に代表されるパニック障害の治療法のひとつです。基本的にはパニック発作に対してある程度対処できるようになった段階で進めて行く治療法となり、これまで避けていた場所や状況にあえてチャレンジする方法になります。医師のサポートのもと行う治療法ですが、パニック障害者自身でも率先して行うことができます。もちろん家族のサポートがあると大変やりやすいでしょう。

[関連記事] ≫暴露療法のやり方と効果

家族のサポート例

電車の車内例えば、電車に乗れない場合です。

久しぶりの電車で不安がとても大きくなったとき、家族が隣で手を握っていてくれるだけで安心し不安をやり過ごせることもあります。たとえ1駅だったとしても電車に乗れたときは「やったね」「乗れたね」とチャレンジした勇気を思い切り褒めてあげてください。大袈裟と思うかもしれませんが、その一言やその笑顔が大きな自信となり、別の状況にもチャレンジしてみようという気持ちがもてるようになります

上記のように子供を褒めるみたいに言わなくてもいいですが、「頑張ったね」「お疲れ様」など、家族の一言で勇気と自信が持てるようになります。

誰しも褒められると嬉しいものです。認められたと感じたり、愛されているという感じ方は人それぞれですが、パニック障害の克服に向けて頑張れる動力になることは間違いありません。

認知行動療法にチャレンジするときに大切なことは、やさしい課題からゆっくりと進めていきます。電車であれば1駅だけ、改札口まで等うまくいかなくてもガッカリすることはありません。回数を重ねていけば必ずできるようになります。焦らずゆっくり落ち着いて挑戦してください。不安が強いときほど、優しい課題を見つけゆっくりと一緒に歩んでください。

 

 

4. 学校や職場復帰へのサポート

オフィスや学校パニック障害に疾患し、学校や仕事を休んだり、家事から離れるなど治療に専念するケース(自宅療養など)も多くなっています。大切なのは、この様な状態からいかにスムーズに元の生活へもどるかということです。もちろん、これにも家族のサポートがあればよりスムーズに進むことでしょう。

しかし、「そろそろお仕事(学校)に復帰してもいいですよ」と医師に言われると完治したと思い込み、復帰するタイミングで薬の服用をやめてみたり、減らそうとしています場合があります。なかには復帰後の生活の忙しさから服薬を忘れてしまうケースも発生します。

職場や学校への復帰という大きな生活の変化を乗り越えるのに大切なことは、軌道に乗るまで、薬は自分を助けてくれる存在だと認識し医師の指示に従って治療を続けることが大切です。「復帰」というのはまだまだリハビリ段階です。医師の指示に従い正しく服薬することが大切ですので、復帰後もお薬はしっかりと飲む必要があります。

また、これら正しいやり方で社会復帰を成し遂げるためにも、ご家族や恋人は生活のリズムを正してあげたり、疾患者が服薬や通院などを期日・時間通りに守れる様、声をかけるなどしてサポートすることが重要です。

 

接し方やサポート方法のまとめ

それでは本編のまとめになります。

  • パニック障害を効果的に治療していくには、家族や恋人・友人などの周囲の人々の協力が不可欠である。
  • パニック障害という病気を知り、患者に対して理解を示すことが大切である。
  • 服薬の中止は主治医の判断を仰ぎ、勝手に減薬などしてはいけない。
  • パニック障害の治療法のひとつに「認知行動療法」があり、家族のサポートが必要なケースもある。
  • 社会復帰しても、規則正しい生活やこれまでと変わらない服薬などをサポートする。

 

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2 件のコメント

  • すみません
    書いてあるような支えてくれる人が居なくて、1人でなんとかしなきゃならない時はどうしたらいいか?悩んでいます

    助けてほしいですと伝えても
    「自分で」「気の持ちようよ」「考えを変えたら」などで
    「大丈夫?」と身近で支えてくれる人はいません
    親も「めんどくさい」と言って来ます

  • 自分の趣味など気分転換できるものを見付けてはどうでしょうか。
    私個人としては、大丈夫?と聞いてうっとうしくないかな?と気になるところです。

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