パニック障害と過呼吸の関係 – 原因と対処法



息苦しさや動悸を伴うパニック障害の症状は、激しいスポーツをした後や大きなストレスに晒されたときに引き起こされる「過呼吸(=過換気症候群)」とよく似ています。このふたつの症状(パニック障害と過呼吸)に関連性はあるのでしょうか?パニック障害と過呼吸、それぞれの症状や原因、対処法などを見ながら関係を探ります。

過呼吸とパニック障害の症状の関連性

ここではパニック障害と過呼吸(=過換気症候群)の症状に焦点を当てて関連性を見ていきます。

過呼吸(過換気症候群)の症状

過呼吸(過換気症候群)とは、その名の通り必要以上の呼吸(つまり酸素を取り入れ二酸化炭素を排出するという行為)を行うせいで、血中の酸素濃度が非常に濃くなってしまうことです。

その結果「息苦しさ」を引き起こし、次第に頭がふらつく、手足や唇が冷たくなりじんじんと痺れる、強い耳鳴りなどの症状が起こります。

過呼吸が収まらずに酷くなると死の恐怖を感じたり失神したり、重い症状になることもあります。

過呼吸を頻繁に起こすようになると、風邪やその他の病気で呼吸が荒くなっただけで過呼吸を発症することもあるのでそのようなときには自分の呼吸を意識して調整することが大切です。

パニック障害の症状

パニック障害の主な症状はパニック発作です。このパニック発作とは、冷や汗が出る、めまいがする、気が遠くなる、手足がしびれる、激しい動悸、息苦しさ、吐き気、死ぬのではないかという恐怖などが顕著に起こる発作のことをいいます。この症状の中で、特に「息苦しさ」というのは過呼吸(=過換気症候群)の症状と似ています。

このパニック発作は突然起こり、10分以内にはピークに至ります。たいていの場合は20分から30分でおさまり、長い場合でも1時間程度のことが多いです。

しかし何回も起こるようになると「また起こるのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」などの不安な気持ちが沸き起こる(これを予期不安と言う)ことがあり、この気持ちが次第にパニック発作の症状につながっていきます。

まだ症状が軽いうちに自分の不安をコントロールすることを意識するのが大切です。

パニック障害の症状と過呼吸(過換気症候群)の症状は比較的似ていると捉えられます。

特に「息苦しさ(=呼吸困難)」という点では類似していますので、パニック障害としてその様な症状が出ているのか、または過呼吸による呼吸困難なのかは、初期段階で当該者(疾患者)が判断する事は難しいでしょう。

 

過呼吸とパニック障害それぞれの原因

過呼吸・過換気症候群の原因

過呼吸と過換気症候群は症状に関してはほとんど同じといっても良いのですが、原因がそれぞれ違います。

過呼吸は、運動に慣れていない人がマラソンや激しいスポーツなどをしたときに起こりやすい症状です。過換気症候群は強いストレスや緊張によって無意識に呼吸が上がり、その結果過呼吸の症状を起こす疾患です。

過呼吸になるメカニズムは、血液中の二酸化炭素の排出が必要量を超えてしまい、血液がアルカリ性になる事で息苦しさを感じる様になるのです。

パニック障害の原因

パニック障害の原因についてはまだはっきりと解明されていません。精神的な病気という区分ではありますが、今のところ有力なのが「情報を伝える伝達物質に問題がある」というものです。

脳の奥には青斑核という部分があります。その青斑核がエラーを起こして必要もないのに興奮物質を分泌します。興奮のせいで予期不安を引き起こし、その興奮が前頭前野に伝わって恐怖を感じるのです。これがパニック発作を起こすまでの経過といわれています。

この様にパニック障害と過呼吸(過換気症候群)の原因について比較してみると、それぞれの原因は全く違うものであり、根本的には関連性が無いと言えます。

しかしながら、先ほど解説した症状を見る限りでは、過呼吸(過換気症候群)とパニック障害を間違えてもおかしくはないでしょう。

 

 

 

過呼吸とパニック障害それぞれの対処法

それでは、過呼吸(過換気症候群)とパニック障害のそれぞれで出る「息苦しさ」に対してどの様に対処していけば良いのでしょうか?

パニック障害の対処法

パニック障害への対処パニック障害は先述したようにたいていの場合30分以内におさまることが多いので救急車を呼んだり病院に駆け込んだりする必要はありません。自分の不安をやわらげるための何かしらの手筈(対処法)を確立しておくことが大切です。

たとえば、発作中に周りに誰もいないせいで不安なときは友人や家族に電話をして不安を和らげるための言葉をかけてもらう。冷たい水を飲む。アロマの香りを嗅いで心を落ち着かせる。呼吸のしやすい体勢をとる。このように自分なりの不安解消法を行うことでパニック発作に対しては十分な対処となります。

過呼吸・過換気症候群の対処法

ペーパーバッグ法紙袋やビニール袋を口に当てて自分の吐いた空気(二酸化炭素)を再び吸入することによって血中の酸素濃度を下げ、同時に二酸化炭素濃度を上げるという方法をとることが一般的です。これを「ペーパーバッグ法」といいます。

しかし、近年はこのペーパーバッグ法による窒息などの危険性が指摘されており、自らで呼吸を調整する方法が勧められています。息を吸うことより息を吐くことを意識しながらゆっくりと深呼吸をし、二酸化炭素を増やして酸素を減らすという呼吸管理をすることが大切です。

 

過呼吸とパニック障害の関連性のまとめ

このようにパニック障害の症状と過呼吸の症状はとても似ていますが、そもそもの原因がまったく違います。それぞれ治療法も全く違うのでこのような症状が頻繁に起こる場合は一度医療機関を受診しましょう。これによって、パニック障害なのか、過呼吸(過換気症候群)なのか分かるようになります。

パニック障害の症状の特徴として「息苦しさ」がありますが、息を吸っても酸素が入ってこない様な感覚におちいる為、一生懸命に早く呼吸をしようとします。

この結果、血中の二酸化炭素量が少なくなり、過呼吸を引き起こす場合がありますので、息苦しさを感じた場合は腹式呼吸や呼吸を深くゆっくり行うように心がけましょう。