パニック発作が起きやすい場所10選+対処法



なぜ特定の場所でパニック発作が起きるのか?

パニック障害に疾患すると様々な”苦手な場所”ができてしまいます。これから10個の”パニック発作が起こりやすい場所と対処法”をお伝えしますが、これらの場所は一般的に苦手とされるだけであり、パニック障害者の中で個人差がありますので、例えばこれら10個の場所の内、3個苦手な方もいれば、10個すべて苦手とする方もいます。もちろん、これらの場所以外でもパニック発作が起きやすい場所があるのが現状です。

この様になぜ特定の場所でパニック発作が起きやすいのか?…これはパニック障害の症状の中の予期不安や広場恐怖が影響してパニック発作が出ていることに起因します。簡単に説明すると、パニック発作が起きた場所が頭の中で関連付けられて、次に同じ場所に行くと「またパニック発作が起こるのではないか?」と不安になってしまい、パニック発作を誘発してしまうのです。また、全く訪れていない場所でも「ここでパニック発作が起きたらどうしよう」という思考から、徐々にその場所を避けてしまうこともあるのです。

以下よりご紹介する場所は対処法と合わせて解説していきますので、パニック障害を疾患しているご本人はもちろんのこと、サポートしている周囲の方(ご家族や友人・恋人)も参考にして頂き、パニック障害への理解と、より早く改善させるための配慮をして頂ければと思います。

 

パニック発作が起きやすい場所と対処法

1. 映画館

パニック発作 映画館

パニック障害者の苦手な場所のひとつの映画館は、パニック発作の起きやすい場所とされています。映画館では暗い室内で閉鎖的な空間(直ぐに逃げ出せない)であると同時に、多くの人が集まる場所ですから、パニック発作が起きた場合に直ぐに外へ逃げられない、また、他人の目が気になる(迷惑をかけるのではないか?発作を見られたら恥ずかしい)という心理からパニック発作が誘発されやすくなっています。

映画館での対処法

映画館では予め座席の指定が出来ますから、直ぐに外へと非難出来る出入口に近い通路側の席を予約しましょう。こうすることで、パニック発作が始まった場合に直ぐに行動でき、また、それが出来るという安心感からパニック発作を予防できます。

 

2. 美容院・理容室

パニック発作 美容院 理容室

美容院や理容室では閉ざされた空間で長時間拘束されることからパニック発作を誘発しやすい環境と言えます。特に仰向けになって髪を洗ってもらう時が苦手というパニック障害者は多く、自動洗髪機などでは洗っている間、完全に止める事が出来ないため、パニック発作が出やすいとも報告されています。

美容院・理容室の対処法

最近ではパニック障害者を積極的に受け入れる美容室・理容室が多くなっています。これはパニック障害に対して認知度が向上してきた結果かもしれませんが、地域によっては、自宅まで出張で髪を切ってくれるサービスもありますので、どうしてもお店まで行けないという場合はこういったサービスを受けると良いでしょう。

また、美容院や理容室へ予め電話でパニック発作が出やすい旨を伝え、配慮してもらえるかどうか聞いておくのも有効です。事前に不安となる要素をできるだけ取り除いてからお店に行くことがポイントになります。

 

3. 電車

パニック発作 電車

電車は次の駅に到着しなければその場から逃げる事ができない、また、大勢の人が乗っているためにパニック発作が起きたら恥ずかしい・迷惑をかけるかもしれないといった不安からパニック発作が誘発されやすい環境となります。

電車での対処法

出来るだけ停車までの時間が短い“各駅停車”の電車に乗ることがポイントです。特急や新幹線に必然的に乗らなくてはならない場合は、乗務員室が近い車両に乗る様に心がけ、もしパニック発作が起こってしまった場合は恥ずかしがらずに乗務員に助けを求めましょう。

電車の克服法については、パニック障害で電車を克服するための対処法や対策を参照してください。

 

4. 飛行機

パニック発作 飛行機

飛行機は電車と同様にその空間から逃げ出すことが出来ない為、パニック発作を誘発しやすい環境と言えます。電車と比較して、特に国際便では長時間の拘束となりますので、パニック障害者であるならば可能な限り避けたいところです。

飛行機の対処法

飛行機では客室乗務員(キャビンアテンダントのこと=CA)に予めパニック障害である事を伝えると、それに伴った配慮や対応をしてもらえますので、パニック発作が懸念される場合は必ず客室乗務員に搭乗前に相談をしましょう。これを事前に行うことで、かなり安心して飛行機に乗る事が可能になります。

その他、飛行機の克服方法については、パニック障害でも飛行機を克服する3つ対処法をご参照ください。

 

5. 自動車(高速道路・トンネル・助手席)

パニック発作 自動車(高速道路・トンネル・助手席)

自動車もまたパニック発作を誘発しやすい環境です。ただし、自動車という空間そのものに苦手意識を持つというよりは、例えば、高速道路やトンネルなど車を運転している特定の場所でパニック発作が起こりやすいのが特徴です。高速道路やトンネルでは一度入ると途中で引き返す訳にもいかず、自由に逃げる事が出来ないことがパニック発作の原因です。

また、自分で車を運転するのは平気だが助手席に座る(他人に運転してもらう)とパニック発作が出やすいというケースもあります。これは自分で運転している場合はパニック発作が起こりそうになったときに自由に回避行動(たとえば路肩に駐車やコンビニに入る)を取る事ができますが、助手席などの運転していない環境では自分の意思通りにいかないため不安が生じるためです。

車の対処法

重度のパニック障害のケースでは、家族や恋人・親しい友人などに運転してもらうなどの対処を取りましょう。また運転が可能な場合は、高速道路を避け一般道で移動するようにしましょう。トンネルが苦手な場合は、迂回の道を使用したり、運転を交換してもらうなどの対処を行ってください。

車の運転に於いては、運転中にパニック発作を起こすと重大な事故に繋がりかねません。パニック障害者の場合は、十分に運転を克服してからハンドルを握る様に心がける必要があります。車の運転を克服するためには、過去記事、パニック障害でも車を運転するための克服法と対処法がお役に立てるでしょう。

 

6. 会議・集会

パニック発作 会社での会議

例えば会社でおこなわれる会議などでは、会議室という狭い空間の中に複数の人間が集まります。その中には上司や経営者が居るケースもあるでしょう。この様な環境では人間関係(+上下関係)によるストレスや会議という大事な場面でパニック発作が起きてしまったらという予期不安からパニック発作が起きやすくなります。会社でなくとも人の集まる場所では自分が意識する以上にストレスによる負荷がかかりますので注意が必要です。

会議・集会の対処法

上司へパニック障害である事を伝えるのは、会社という組織の中に属する一員であればひとつの義務ではないでしょうか。パニック障害である事を隠したい気持ちは十分にわかりますが、上司へはしっかりと伝え、理解してもらえるように努めましょう。結果的に会議などを含む各場面で配慮をもらえる事になります。

会社で仕事を続けて行くためにはパニック障害者が仕事をうまく続けるための手引きが参考になるでしょう。

 

7. エレベーター

パニック発作 エレベーター

エレベーターは閉ざされた密室であり、時にはそこに沢山の人が詰め込まれる空間です。パニック障害者にとって、逃げ場のないエレベーターは、「ここでエレベーターが止まってしまったら」・「ここで発作が起きたら」と不安な要素を多く想像出来てしまい、パニック発作を引き起こしやすい環境です。エレベーターはパニック障害者でなくとも、息詰まる空間でしょう。

エレベーターの対処法

エレベーターのあるような建物(オフィス・デパート・マンション など)では必ず階段やエスカレーターが併設されているはずです。まずエレベーターしか移動手段がないということはないでしょう。エレベーター内で何かしらの対処をするのは難しいですから、可能な限りエレベーターを使わずに移動できる手段を選びましょう。

 

8. 歯医者(歯科)

パニック発作 歯医者 歯科

歯医者でパニック発作がでることはめずらしいことではありません。これは先述した美容院や理容室と同様で、治療を受けている間は逃げる事ができないという思いからパニック発作が誘発されるのです。歯医者での治療は一般的に好まれるものではありませんが、パニック障害者にとっても非常に恐怖にあふれた場所になります。

歯医者の対処法

対処法についても美容院・理容室と同様な内容になりますが、最近ではパニック障害に対する理解のある歯科医も増えてきており、こういった精神疾患に考慮しながら治療を受けられます。まずは、予約時に電話でパニック発作を起こす可能性があることを事前に伝え、治療の際に考慮してもらえるように働きかけましょう。歯医者側としても、こういった事は事前に伝えてもらった方が良いと考えているものです。

また、治療中に息苦しさや不安感が襲ってきたら手を挙げるなどして歯科医に伝え、背もたれを起こしてもらえるように伝えておくと、それだけでも安心して治療を受ける事が可能になります。

 

9. スーパーなどの行列

パニック発作 スーパー 行列

スーパーのレジに並ぶことが苦手ということはパニック障害者の共通認識かもしれません。スーパーでは人が多い上に、レジで会計を待つという状況になると大きなストレスがかかり、パニック発作が出やすくなります。

スーパーでの対処法

なるべく人の少ない時間帯に行くという”努力”をする必要があります。一般論ですが、スーパーが混雑する時間帯は、午前中で11時~12時、午後は夕方4時~6時と言われています。いわゆる「ご飯時」に近い時間帯は混雑するのです。

このような時間帯は避けて、出来るだけ人の少ない時に買い物ができる様にしてみましょう。オススメは朝一番の開店と同時にスーパーへ入り、必要な物をさっさと買ってしまうことです。経験上、朝一番と閉店30分前は買い物客がとても少ないです。

 

10. 1人で家に居る

パニック発作 自宅でひとり

パニック障害では基本的に人ごみなどの人が多く集まる場所は苦手とされます。しかし、まったくの正反対の状況、すなわち1人で家に居ることも実はパニック発作が出やすい環境でもあるのです。これは1人で居ることの漠然とした不安や1人でいる事でパニック発作のことや自分の不甲斐なさについて色々と考えてしまうのが原因ではないかと思われます。

1人でいる時の対処法

パニック障害に疾患している時は一人で家に居ると様々なことを考えてしまい不安になるものです。例えば、ご家族が同居している場合は、携帯電話などで直ぐに連絡が取れる状況を作っておきましょう。また一人暮らしの場合は、親しい友人や恋人にパニック障害のことを打ち明け、不安を感じた時に連絡出来る様にしておきましょう。

<h4>パニック障害者を持つご家族や周りの方へ</h4>

このように、パニック障害者は一人で自宅療養をしている時も非常に大きな不安を抱えていますので、離れている場合でもサポートできる様にして頂けたらと思います。家族の対応方法については、パニック障害者への正しい接し方と家族ができるサポートをご参照ください。

 

パニック発作が起きやすい場所と対処法のまとめ

以上、パニック発作が起きやすい場所と対処法として、一般的に多いとされている10個の例を挙げました。冒頭でも記述したとおり、パニック障害者が苦手とするのはこれらの場所だけではありません。補足として例を挙げるのであれば、地下鉄や橋、バス、窓のない部屋などであり、その他にもパニック発作を起こしやすい場所は沢山あります(個人差があります)。

以下は、今回の記事で挙げたパニック障害者がパニック発作を起こしやすい場所になります。

  • 映画館
  • 美容院・理容室
  • 電車
  • 飛行機
  • 自動車(高速道路・トンネル・助手席)
  • 会議・集会
  • エレベーター
  • 歯医者
  • スーパーなどの行列
  • 1人で家に居ること

パニック障害を疾患している方は、初期段階としてはこれらの場所を回避する事も必要ですが、今後改善させていく為には、これらの場所を避けているだけではパニック障害を克服することは難しいかと考えます。むしろ回避し続けて苦手な場所に一切行けなくなること(行くことが怖くなってしまうこと)は重大な問題であり、社会復帰へ向けて大きな障壁となります。

パニック障害の症状が投薬治療を通じて一定の改善が見えてきたら、これまで挙げた苦手な場所も克服していく必要があります。これに効果的な治療法として暴露療法(エクスポージャー療法)が有名であり、頭の中で関連付けられた”パニック発作”と”場所”の関係を断ち切るために有効な治療法です。

[参考記事] ≫ 暴露療法の効果とやり方

また、某医療機関での調査によれば、回避行動を取らなかった場合にパニック発作の不安度合が軽減されたという結果も得られていますので、この事からも暴露療法が有効な治療法だという事がわかります。

暴露療法は精神科や心療内科などの専門機関で受けることが可能ですので、主治医へ相談してみましょう。

※この治療法のみが有効というわけではありません。