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パニック障害と生理|不安が強くなる症状の原因は?
「生理になるとパニック症状(不安症状)が強くなるんです」
こういった生理前後の時期でパニック症状の悪化が感じられるという悩みは良く聞く内容です。生理は女性特有の症状ですが、生理とパニック障害に関連性はあるのでしょうか?
1.パニック障害と生理の因果関係は医学で解明されていない
根本的な話になってしまいますが、パニック障害と生理の関連性については現在の医学では解明されていないのが現状です。ですから、生理がパニック障害に悪影響を与えているとも言い切れませんし、それこそ全くの無関係とも言えません。
しかしながら、パニック障害の状況下では心身ともに不安定な状態にありますので、少しのストレスや身体的な苦痛によりパニック発作を起こしやすいと言えるため、心身に影響を与える生理を引き金にしてパニック発作を誘発することも十分に考えられます。
2.パニック症状に酷似した病気が生理時期にある
月経前症候群(げっけいぜんしょうこうぐん)という病気を聞いたことがあるでしょうか?
実はこの病気の症状がパニック症状にとても酷似しており、その症状からパニック障害と勘違いされるケースもあります。具体的な症状は、めまい・ふらつき・不眠・パニック・憂鬱感…など、それこそパニック障害の方が月経前症候群を併発していたとしたらその違いに気づく事は難しいかもしれません。
このようなことから、生理期のパニック発作などを安易にパニック障害と結びつけてしまうことはパニック障害を克服していくという観点でも避ける必要があるかもしれません。
3.パニック障害と生理を関連付けてしまう思考…
生理期にパニック症状が強くなってしまうその原因について、ヒトの思考という観点で少し考えてみました。
生理になるとパニック症状が強くなってしまうという意識の背景には、パニック障害である事と生理で体調が悪い事を意識的に結び付けてしまっているという事が考えられます。
生理中に体調が悪くなってしまったり、気分が非常に優れないという症状はパニック障害の方に限らず世間一般の健康な女性にも当たり前にある事です。そもそも生理期に体調を崩すという現象はホルモンバランスの変化が影響しますので必然的です。
ここで問題として考えられるのが、生理で心身の体調が悪化している原因をパニック障害と結び付けて考えてしまうという事です。
「生理で体調悪いなあ・・・」
↓
「今日はすごく不安感が強い・・・」
↓
「パニック障害だからかなぁ・・・」
このように、
体調が悪い事をパニック障害と結び付けて考えてしまう事は、あなたの不安を大きくするだけなので私としてはオススメすることはできません。このような考えを持ってしまうと、負のスパイラルに陥って、どんどん症状が悪化してしまいます。
4.生理時にパニック症状が強くなる事への対処法
生理のときに限った話ではありませんが、パニック症状が強くなって不安感が強くなってしまう事への対処法は、その症状になっている事を受け流す事なのです。
「なんか今日は体調悪いけど、そんな時もある」という様な考え方が出来ないと「負のスパイラル」で症状が悪化してしまいます。現状を受け入れて、パニック症状について深く考えない事が重要です。
この様に、考え方ひとつで症状の良悪に差が出てしまうのがパニック障害の特徴です。自分自身が負のスパイラルに陥ってしまいそうな状態を自分気持ちでコントロールできるようになるとパニック症状を克服する近道になります。
5.生理時でもパニック症状を恐れない気持ちを持つ
パニック症状が出そうになったら、発作が起きそうになったら、まずその症状を恐れずに「今日は調子の悪い日なんだ」 とありのままの状態を受け入れてください。あなたがやるべきパニック障害への対処法はたったそれだけです。
こういう受け入れ方や考え方が自然とできるようになれば、どの様な症状が訪れても落ち着いて対処できるようになります。そして、それが出来る様になれば、発作が起きても恐怖心が少なくて済みます。ちょっとした気の持ちようで不安の大きさは変わってしまいますので、ぜひ心がけるようにしましょう。
6.まとめ
パニック症状と他の病気の症状を強く結びつけて混同させるのは辞めましょう!
- パニック障害と生理の関連性は医学的な解明はされていない
- 生理期には月経前症候群というパニック障害に似た症状の出る疾患が存在する
- 生理期に心身への影響が出るのは一般的な女性のほとんどである
- 生理期にパニック症状が強く感じられる場合は、「そんな時もある」と深く考えずに受け流す
- 考え方ひとつで症状の良悪に差が出てしまうのがパニック障害の特徴