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パニック障害の症状
パニック障害では様々な症状が確認されていますが、一般的に多い発症傾向は「パニック発作」であり、これは、急な動悸や呼吸困難、吐き気やめまいなどの発作に襲われてパニック状態になるケースがほとんどです。
これらの症状は総称して「パニック症状」と呼ばれ、なんの前ぶれもなく突然起こるのが特徴であり、なんとなく前兆を感じたりすることはほとんどありません。
このようにパニック症状は急に起こる上に、様々な身体症状が現れるため「このまま死んでしまうのではないか」「この発作で自分は狂ってしまうのではないか」という恐怖に襲われることもあります。
その症状から内科的な検査を何度受けても身体に異常が見つかることはなく、パニック障害の発見が遅れ、症状が悪化してしまうケースもめずらしくありません。
以下、パニック障害の症状について詳細を解説していきますので、あなたに該当する症状がありましたら早めに精神科・心療内科を受診することをおすすめします。
パニック症状の種類と具体的な症状
パニック症状の種類は主に「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」の3つに分ける事ができます。これら3つの症状は一連性があり、パニック障害においては以下の様な経過をたどります。
②パニック発作を繰り返す
上記①の症状が頻繁に繰り返される状態が続きます。
③予期不安が起こる
いつ発症するかわからない「パニック発作」に対して恐怖心を抱くようになり、常に不安に感じる様になります。
④回避行動を開始する
予期不安が強くなり、パニック発作が起きた場所や状況を避けようとします。
⑥うつ病を併発する
極度の不安感とパニック発作の継続的な発症から鬱病(うつびょう)を併発します。
それでは、次にそれぞれの症状について詳しく見ていきます。
パニック発作とは
激しい不安感や恐怖感とともに動悸・めまい・呼吸困難・発汗・吐き気・などの身体症状があらわれます。他には手足の震え・胸痛・峡部や腹部の不快感・しびれ・脱力・気が遠くなる感じを訴える人もいます。これらのパニック発作は前兆なく突然起こり、10分以内にピークに達したのち、ふつうは1時間以内に収まります。
予期不安とは
パニック発作が起こると、大半の人が内科や救急外来などを受診しますが、病院に向かって到着したころには症状は治まっていることがほとんどです。それによって正しい診断がなされないと、不安が解消されないためにパニック発作を防ぐことができません。
何回か発作が起きると発作が起こるタイミングの予測がつかないこともあって「またどこかで発作が起きたらどうしよう」という不安が常にわき起こるようになります。これを予期不安といいます。
広場恐怖とは
先述した予期不安がさらに高まってくると、パニック発作が起きそうだと不安を覚えるような場所や状況に対面することを避けるようになります。
たとえばエレベーターの中でパニック発作が起きた人は不安感からエレベーターに一人で乗ることが出来なくなります。また、家でパニック発作が起きた人はその不安感から一人で家にいることが怖くなります。これを広場恐怖と言います。
もしも発作が起きたら逃げだすことのできない、あるいは誰かに助けを求めることが出来ない状況や場所を回避するようになるものです。パニック障害の患者では、少なくとも3分の1から2分の1に広場恐怖が伴っていると言われていますが、必ず併発するわけではありません。回避行動が見られない患者さんの一定の割合でいます。
パニック障害にかかっているかもしれないという人もその周囲の人々も、パニック障害の症状を知っておくことによって身体と心が快方へ向かう手助けをすることが出来ますので、出来る限り知識を増やしていくことを心がけましょう。
パニック症状が起きる場所や状況
パニック症状は人混みの中で起こることが比較的多いのですが、くつろいでいるときに起こることもあるので絶対にこのような状況・場所で起こるということは限定できません。例として、電車に乗っていたら、車を運転していたら、歯医者で、レジ待ちをしていたら、会議中に、映画館で、雑踏の中で、家でテレビを見ていたら、などがあげられます。
特にパニック障害者の中で発症するケースが多い場所は、飛行機・エレベーター・トンネル・自動車などが挙げられ、不安感や緊張感が増す場面が多い事が想像されます。
非常に稀なケースではありますが、パチンコ店などの娯楽場で起きたケースも確認されています。
パニック障害の症状まとめ
パニック症状は前兆を感じることが出来ずに突然あらわれる。
以下、本編のまとめです。
- 突如襲われる不安感や恐怖感、それに伴う動悸・呼吸困難・吐き気・めまいがパニック症状である
- パニック症状の種類は主に「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」の3つに分ける事ができる
- パニック障害は内科で受診しても異常が見つかる事がない為、パニック症状を理解し、早期に精神科・心療内科を受診する必要がある
- パニック症状はいつ発症するかわからない