不安障害の治療法(薬物療法と心理療法)

不安障害の治療法

【1】
不安障害の診断と治療

不安障害(不安症)は適切な治療を受ける事でしっかりと治すことができる病気です ―― もし、あなたが「不安障害かも…」と思うようであれば、まずはかかりつけの病院、または近くの精神科・心療内科を受診することをお勧めします。

[参考記事] 不安障害とはどんな病気?

不安がその人の身体的病い(体の症状など)と関係しているかを決めるうえでは病院で受けられる定期健康診断が役立つことがあります。もし不安障害と診断されたら、同時に起こっている症状のパターンだけでなく、例えばうつ病や薬物乱用など、同時にあわせもつ健康に影響を与える問題も見つけていく必要があります。

アルコール中毒・うつ病・薬物依存症など、不安障害の他に存在する病気が大きな影響を患者に与えている場合もありますので、不安に対処する前に、それらの病気から治療していかなくてはならないケースもあります。

多くのケースで不安障害は正しい治療を受ける事で問題なく充実した生活を送ることができます。かかりつけの医者が不安障害だと診断したら、専門の精神科医へ相談する事をおすすめします。専門医からしっかりとアドバイスを受けることが大切です。特に不安に効果的な特定の認知行動療法や薬物治療法が見つかっています。

メンタルヘルスの専門医(精神科・心療内科)に話すときは、あなたが安心して話が出来ることが大切です。もし、専門医と話すことに心地よさを感じなければ、転院(違う病院を探すこと)を考えるべきでしょう。安心して話せる専門医を見つけたら、2人1組のチームとして不安障害を克服していく計画を一緒に立てるようにしましょう。

一般的に、不安障害はお薬による治療または特定の心理療法、あるいは、その両方を活用して治療を行なっていきます。どの治療法を選ぶかは、不安障害の種類、疾患者の嗜好(受け入れる・受け入れない など)、専門医の判断によって異なります。

すでに不安障害の治療を行ったことのある場合は、治療内容や経緯を医師へ詳しく伝える事が大切です。例えば、お薬による治療をしたことがあれば、

  • どの薬を飲んでいたのか?(薬の名称)
  • 最初の服用量はどれくらいだったか?
  • 治療期間に服用量の変化はあったか?
  • どのような副作用があったか?
  • 不安を抑えるのに効果があったか?

を伝えてください。

また心理療法を受けていたのであれば、

  • その治療の種類
  • どれくらいの頻度で行っていたか
  • その治療法が役に立ったか

などについても適切に伝えるようにしましょう。

不安障害では自分に合った治療法が必要です

治療の効果が無かったと言う人がよくいますが、実際に…

  • 十分な時間を治療にかけることができなかった
  • どこか十分な治療が行われなかった

ということもあります。自分に合った治療法を見つけるには、違う治療法を試したり、治療の組み合わせを変えたりしなければなりません

 

【2】
不安障害のお薬による治療について

お薬による治療(薬物療法)は不安障害を治すために必ずしも必要とは限りませんが症状を緩和させる効果は十分に期待できます。

薬物療法におけるお薬は、医師によって処方されなければなりません。精神科医は精神疾患のスペシャリストです。多くの精神科医が自身で心理療法を行ったり、臨床心理士・ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)・心理療法を行えるカウンセラーとチームになって働いたりしています。

主に不安障害に使用される薬は、抗うつ剤・抗不安薬です。薬物治療のお薬の中には、

  • 定期的に服用する時のみ効果を発揮するものがあること
  • 薬物治療を止めれば症状が再発することもある

ということをぜひ知っておいてください。

専門家の指示のもと、正しい医薬品・服用量・治療計画をあなたの要望を交えて選択・計画することが大切です。お薬が合う・合わないというケースは必ずありますので、医師は患者に一番合ったお薬を見つけるために何種類かのお薬を試すことがありますが、これはより良い治療を目指しての事ですので心配する必要はありません。

また、お薬には副作用がありますが、そのリスクと比較して服薬する価値があるかどうか専門の臨床医がしっかりと調べて処方してくれます。

副作用のリスクと比較して服用価値がその薬にあるかを、あなたが決定するのを専門の臨床医のみ助けることができます。かかりつけ医は患者に一番合う薬を見つけ出す前に、いくつかの医薬品を試みることもあります。

投薬治療をより効果的にするためにも、以下のことはかかりつけの医師とよく話し合い理解する必要があります。

  • お薬がどのように症状を改善していくか
  • お薬の利点と副作
  • あなたの病歴に基づいた深刻な副作用のリスク
  • お薬が生活習慣を変える可能性がどれほどあるか
  • それぞれの薬にかかる費用
  • あなたが受けている他の代替療法やお薬・ビタミン剤・サプリメントとこれらがどのように治療への影響を与えるか
  • どのように薬物治療を止めていくべきか。

中には突然止めることができない薬もあり、医師の監督のもと徐々にゆっくりとやめていかなければならないものがあります。

不安障害で使われる心理療法とは?

心理療法では、不安障害の原因を理解し、どのように対処していくかを知るために、精神科医・心理士・ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)・カウンセラーとお話しをしていきます。

認知行動療法(CBT)

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)は不安障害の改善に効果的な治療法です。患者が抱えている恐怖に対する思考パターンを変え、不安を引き起こす状況へ対処する方法を作り出します。

例えば、認知行動療法を行うことによって、パニック障害の患者が「パニック発作は心臓発作ではない」ということを知るきっかけになります。また、社会恐怖をもつ患者には、常に他人から見られていて、評価されているという思い込みを無くす手助けとなります。患者が恐怖に立ち向かう準備ができたとき、不安を引き起こす状況に敏感に反応しないために暴露療法をどのように使うかを学んでいきます。

暴露に基づいた治療(暴露療法)は、長い間、特定の恐怖症を治療するために使われ続けている有名な治療法です。

暴露療法のやり方は患者が怖れている対象や状況に対して少しずつ直面していきます。徐々に行っていきますので、最初は恐れている場所や環境の写真やビデオなどを見る事から始めて、その後、実際にその環境や状況に敢えて直面してみるという流れになります。

治療の専門家は患者が恐怖を抱く状況へ向かうのに同行しサポートと指導を行います。暴露療法は患者の心の準備を整えて行われます。

より暴露療法の効果を高めるために、患者の要望や具体的な不安について考慮された治療が行われなければなりません。暴露療法の一般的な副作用としては恐れている状況へ立ち向かうことを考えるときに起こる一時的な不安と言えるでしょう。

認知行動療法の進め方

認知行動療法は個人的に進めて行く場合もあれば、同じような病気を抱えている患者と一緒になって行われるときもあります。グループによる治療は特に社会恐怖症に効果的です。次の回までに終わらせなければならない「宿題」がよく参加者に出されます。後になって障害が再発したら、同じ治療をうまく使って治していくことができます。

薬物治療はある特定の不安障害において、心理療法と一緒に行われます。組合せ治療は、多くの患者にとって最良の方法ということが証明されています。

不安障害を治療していく上での注意点

インターネット掲示板やチャットルーム

不安障害者の中には、自助団体や支援団体に所属して、ご自身の抱える問題やこれまで克服してきたことなどを他の人と分かち合うことで治療に活かしていく人もいるかもしれません。こういう点においては、インターネット上のチャットルームや掲示板なども活用できるでしょう。

しかし、インターネットの掲示板やチャットルームで得るアドバイスには、その真偽性(ウソかホントか)について注意する必要があります

インターネット上で知りあう人々は実際に会ったこともありませんから、もらった情報が本当なのかそうでないのか、見極めることが難しくなっています。また、信頼できる友人や知り合いと話すことでも治療のサポートを得られるかもしれませんが、必ずしも専門の臨床医による治療以上の効果があるとは限りませんので注意が必要です。

お薬は医師の処方のもとで

カフェインがパニック障害などの不安障害に悪影響であるという事は広く知られていますが、違法な薬物や、店頭で販売されている風邪薬でさえも不安障害の症状を悪化させる可能性がありますので、これらを避けることも考えなければなりません。処方されている抗不安薬や抗うつ薬に追加で薬を飲む場合は、かかりつけ医や薬剤師に確認する事をおすすめします。

家族のサポートは重要

不安障害を克服していくためには家族のサポートが必要不可欠です。理想的な話になってしまうかもしれませんが、家族が愛する者の症状が1日でも早く改善できるように協力的であるべきだと考えます。家族は、患者の症状を軽視したり、無理な改善を求めたりしてはいけません。

これは非常に重要なことですので、不安障害者の家族の方は疾患者に対する接し方やサポート方法を学ぶべきです。

もしパニック障害者が家族に居る方はパニック障害者へ家族ができるサポートと接し方を読んで頂けると参考になるかもしれません。

 

 

参考文献:

  1. Medical News Today
  2. NIH(National Institute of Mental Health)

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