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パニック障害者が改善に向かっている兆候(様子・言動)
パニック障害者自身ももちろんなのですが、パニック障害者をサポートしているご家族の方や心配しているご友人、恋人なども含めて“病気の状況が改善に向かっているのかどうか”というのは非常に気になるところです。特にパニック障害である期間が1年・2年と長くなればなるほど心配であり、不安になる気持ちは非常に大きくなってきます。
しかし、パニック障害を克服する期間というのは人それぞれであり、ものの数ヶ月で克服してしまう方もいらっしゃれば、私の様に10年もの間、病気と闘う事となるケースも珍しくありません。このようにパニック障害者が病気を克服していく過程で「言動」・「様子」などから改善に向かっている兆候を知ることができます。
もしあなたがパニック障害者自身であるならば、自分の考え方の変化を振り返りながら読んでみてください。
言動やマインド(考え方)・行動の変化
当サイトでも繰り返しお伝えしておりますが、パニック障害を克服するポイントは「パニック障害であることを気にしない」という事です。
パニック障害である事にとらわれずに、パニック症状を受け流す力を身に着ける事ができるようになれば、ほぼパニック障害を克服できたと言えます。これは非常に重要なことで、この様な状態になることはパニック障害者自身のマインド(考え方)が変わってきている事と直結します。
ですから、病気が克服・改善に向かっていれば、ご家族や友人・恋人などサポートしている方々は疾患者本人の言動や様子の変化に気づく事ができます。
たとえば、以下の様な言動や行動の様子について注意深く観察してみてください。
○パニック障害者の変化が読み取れる言動
- 「パニック発作が起きても自分がどうすれば良いかなんとなくわかってきた」
- 「パニック発作が起きてもいいと思う」
- 「パニック発作が出るのはしょうがない」
○パニック障害者の変化が見られる行動
- 最近、色々なところにひとりで出かける様になった
- パニック発作が出てしまった場所にも行くようになった
これら言動に関して見てみると、一見あきらめのような後ろ向きの発言とも捉えられがちですが、見方を変えてみるとパニック障害に対する意識の低下を読み取る事ができます。
実はこれが大切なのです。
前述したとおり、パニック障害は「気にしなくなること」で徐々に克服・改善に向かう病気です。パニック障害という”自分の状態“に意識し過ぎると、結果的にパニック発作を誘発する事になり、「またパニック発作が起こってしまうのではないか?」という予期不安から自らの行動範囲を狭めてしまうなど、負のスパイラルに陥ってしまうのです。
ですから、先程の例のようにパニック障害に対して意識が薄れてくる発言が見られるというのは、改善の道を一歩踏み出し、克服までもう少しの位置にいると言っても過言ではありません。
改善の兆候(様子・言動・考え方)は自然とあらわれてくるもの
ここまで、パニック障害者が克服に向かっている兆候(様子・言動・考え方)について解説してきましたが、早く改善したいがためにこの様な考え方の変化を無理矢理やろうとしたり、また、サポートする側の立場の方は強要する事をしてはいけません。
パニック障害の克服は「症状を気にしないこと」ではありません。「気にしない状態になること」です。
ですから、無理やり気にしない様にしても、いきなりその様なことができるはずがありません。むしろ「気にしてしまったらどうしよう…」、「気にしてしまったらパニック発作がでてしまうかも…」など、違った角度からの予期不安から余計にパニック発作を生み出すきっかけとなってしまいます。
パニック障害克服にはプロセスが存在する
大切なのは、パニック障害を克服するプロセスをしっかりと理解して、徐々に「気にしない」状態を作り上げていく事です。当サイトでもこのような「克服のプロセス」を大切にしており、以下の構成にならって構成しています。
- パニック障害を理解する
- パニック発作に対処できるようになる
- 行動範囲を広げる 不安やパニック発作に対処した実績をつくる
- 予期不安や発作への対応が自然とできる
- パニック障害である事を気にしなくなる
この様な順番で徐々にパニック障害である事を気にしなくなる体質・考え方を作り上げていくのであり、その結果、改善の兆候(様子・言動・考え方)が自然と出てくるというわけです。