不安障害とは?その症状と種類をやさしく解説



1.不安障害とは?

普段生活している中で経験する”不安”というものは、日々の生活の中で当たり前に起こる・感じるものですから心配ありません。仕事で問題に直面した時や、試験を受ける前、重要な決定を行う時などに不安を感じることでしょう。

不安障害とは?

一時的な不安や恐怖にとどまらず、長期的にこれらの症状が続いてしまう病気のこと”です。不安障害をもつ人にとって、不安は消えるものではなく時間と共に悪化するものでもあります。これらの不安感は、仕事・学校・人間関係などの日常の活動を妨げることもあるのです。

人々の多くは、テスト・試験・演奏会・面接など、何か頑張らなくてはいけないことに直面する前に、不安や恐怖といった一般的な心理状態を体験します。この様な状況で不安や恐怖を感じることは正常の範囲ですから安心して下さい。不安障害では、その症状が睡眠やその他のあらゆる面で行動の妨げになってしまう状況のときに問題となります。一般的に、通常予期される以上に過剰反応がおきてしまうと不安障害が起こると考えられています。

 

 

2.不安障害の種類

不安障害は具体的いくつかの種類に分けることができます。精神疾患の中でよく知られているものを下記より簡単に説明していきます。

①全般性不安障害(GAD)

全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)とは、特殊な場面に限定されない出来事、物体、状況などについて、過剰で長期間にわたる不安や苦悩を主な症状とする慢性的な不調です
全般性不安障害者は一般的に健康・経済状況・家族・仕事・学業について不安を感じていますが、これらの ――

  1. 具体的な恐怖を見つけ出す事
  2. 心配をコントロールすること

が難しいとされています。

全般性不安障害者は、常に非現実的または予想(予期)されるものをはるかに超えた恐怖感を抱えています。そして、その恐怖が仕事・学業・活動・人間関係など、日々の生活や行動を妨げてしまうのではないか?失敗や災難が起こるのではないか?と強く不安を感じてしまうのです。

 

②パニック障害(パニック症)

パニック障害は、体の震え・混乱・めまい・吐き気・呼吸困難を発症させるほどの強い恐怖感や短期的な不安、または突然の発作を特徴としていますパニック発作は突然あらわれ、10分後にピークに達する傾向がありますが、人によっては数時間続くケースもあります(個人差によりますが30分程度で治まる傾向が高いです)。パニック障害は、一般的に、とても恐ろしい経験や長引くストレスの後に起こりますが、普段の生活の中で自然に起こることもあります。

パニック発作は、その強烈な症状から、「死んでしまうのではないか?」と思わせてしまいますが、実際に死に至ることは医学上有り得ません。またパニック発作は、次にくる発作を患者に予期させ(予期不安)、その発作を避けるために行動が制限されてしまう特徴をもちます。これを広場恐怖と呼びます。

 

③恐怖症

恐怖症の特徴は、不合理な恐怖感をもつ事とある特定の状況を回避することです。

恐怖症はある特定の物事に対して恐怖感を強く持ちますので、全般性不安障害とは異なります。周りの目からは恐怖症の患者が持つ恐怖は、不合理で「どうしてそんなに怖がるのだろうか?」と思えるかもしれませんが、患者自身は未だその不安をコントロールできずにいるのです。

 

④社交不安障害(SAD)

社交不安障害とは、他人からのマイナス評価や他人に辱められることに対する恐怖感を主な症状とします。これは人前であがることや、親しい関係、屈辱に対する恐怖感も含みます。社交不安障害では普通の生活ができなくなってしまうほど、公共の場を避け、人との触れ合いを避けるようになります。

 

⑤強迫性障害

強迫性障害とは、反復的でおしつけがましく悩ませる思考や行動を特徴とする不安障害のひとつです

強迫性障害者は、彼らの持つ強迫感は理性的でなく、不合理であるということを自身でもわかっていますが、彼らが持つ不安を緩和しようと行動に移します。度々、強迫性障害者の理屈は、例えば、その患者が一定のパターンで歩くと強く主張するように、迷信的だと思えることがあります。

強迫性障害者は、強迫的に私物や自分の手を洗い、絶えず鍵や、ストーブ、電気のスイッチなどを確認していることもあります。

 

⑥心的外傷後ストレス障害(PTSD)

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、例えば軍事戦闘やレイプ、人質になった状況や深刻な事故など、過去に起こったトラウマの結果生じる不安から起こります。心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、トラウマとなっている記憶の強烈な蘇りや、ある特定の刺激を避けるための行動変化を起こさせます。

 

⑦分離不安障害

分離不安障害は、安心感を与えてくれる人・場所からの分離(離れること)の際、強い不安を感じることが主な症状となっています。分離がパニックを引き起こすこともあり、その際に過剰反応を示す、または時宜に合わない反応をした場合に不調を患っているとみなされます。

 

 

3.不安障害の症状

ある特定の出来事(人前で話すことや初デートなど)の時に起こる”比較的穏やかで短い不安”とは違い、少なくとも6か月間以上続く深刻な不安は、一般的に診断と治療が必要と考えられます。それぞれの不安障害(例えば、全般性不安障害・パニック障害・PTSDなど)には各々違う症状がありますが、どの疾患を見ても、行き過ぎた(過剰・不合理)恐怖感や不安感を持つことを症状とします。

不安障害は不安症状を紛らわせたり悪化させたりするアルコールの過剰摂取(アルコール依存症)や薬物乱用(薬物依存症)を含めて、他の精神的・身体的病いと一緒に起こることもよくあります。いくつかの場合においては、不安を治療する前にまずはこのような他の問題(アルコール依存症・薬物依存症)から解決していかなければ、不安障害の治療にうまく対応できないこともあります

すべての不安障害に恐怖や心配を抱えるなどの共通した症状が起こる一方で、各不安障害特有の症状もあります。さらに詳しい情報を知りたい方は、「2.不安障害の種類」をご参照ください。

 

参考文献:

  1. Medical News Today – “Anxiety: Causes, Symptoms and Treatments”
  2. NIH(National Institute of Mental Health) – “Anxiety Disorders”